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スギ花粉症に対する初期療法のすすめ

[2025.01.13]

スギ花粉症について

スギ花粉症はスギ花粉によるアレルギー反応により鼻炎、結膜炎を起こす疾患です。

スギ花粉症の有病率は近年増加傾向にあり、全国的なアレルギー性鼻炎の疫学調査では2019年時点の有病率(38.8%)は1998年時の有病率(16.2%)より倍以上になっています。
これは戦後に全国的に広く植林されたスギが30年以上経ち、花粉産生能力が高くなっているためと考えられています。

花粉の飛散量は毎年の気候条件によって左右されます。
花粉を作る雄花は、夏に作られ始め秋に成熟しますが、その夏の日射量が多く降水量が少ないほど、翌年の花粉量が多くなると言われています。
ここ数年、夏の猛暑のため、花粉の飛散予測は多く予想される傾向にあります。2025年の花粉の飛散も多いと予想されているようです。

 

スギ花粉が飛散している時期の治療について

スギ花粉にアレルギーを持っている方のほとんどは、スギ花粉が飛散し症状が強くなってからアレルギーを和らげる薬(抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬など)を使用しています。
最近の治療薬は、症状を抑え込む速さも力もしっかりありますが、症状がピークを迎えてしまうとすぐに抑え込めないこともよくあります(左図)。

そのため、症状が出る前にアレルギーを抑える治療を開始する初期療法】を行うことで、症状の出現を遅らせ、症状のピークも抑えやすくなります(右図)。

初期治療の開始時期は、以前は2週間前からと言われていましたが、近年のガイドラインでは、【花粉が飛散する日、または症状が少しでも現れた時点】でもよい、となりました。

 

福岡の飛散予測では、例年2月上旬で予想されていますが、毎日のように飛散状況を確認される方は多くないと思われます。
2月初旬から花粉症の治療を始められるよう、少し早めに準備をするようにしましょう。

 

通常の治療で抑え込めないときは・・

毎年のように重度の花粉症になる方は、注射薬である抗IgE抗体薬(オマリズマブ)も有用です。

詳しくは以前のブログ【スギ花粉症に対する抗体療法】をご覧ください。

 

参考文献

・鼻アレルギー診療ガイドライン(2024年版)

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