鼻粘膜レーザー治療
*2024年6月からレーザー治療を再開しております。
*スギ、ヒノキ花粉が飛散する時期は休止するため、2024年は12月上旬までの予定です。
当院では、鼻の過敏症状(鼻水、くしゃみ、鼻づまり)に対して、炭酸ガスレーザーを用いた鼻粘膜焼灼術を行っております。
粘膜を焼灼することで、粘膜がアレルギー反応を起こしにくくなり、鼻の症状を緩和することができます。
適応
鼻の過敏症状の原因がはっきりしているアレルギー性鼻炎や、原因がはっきりしていなくても鼻の粘膜が腫れやすい肥厚性鼻炎の方のうち、お薬が効きにくい方、お薬を減らしていきたいと希望する方が対象です。
ただ、鼻の中の麻酔や処置に耐えられないと治療ができないため、早くても中学生以上からが対象となります。
効果
1回の治療で、鼻づまりには6割程度、鼻水やくしゃみは5割くらいに効果があるといわれています。
治療の効果は約1-2年持続しますが、時間が経つと元の粘膜にもどるため、また鼻症状がでてくることがあります(=永続的な効果はありません)。
繰り返し治療することはできます。
*治療後は鼻の粘膜が強く腫れ、鼻づまりが1-2週間ほど強く出ます。
処置する時期
年中、鼻症状がある方はいつでも治療できます。
ただし、花粉症など季節性のアレルギーのある人は、アレルギーによる鼻粘膜の腫れと、レーザー治療による一時的な粘膜の腫れで鼻づまりがかなり強くなるため、アレルギーの起こりやすい時期はできるだけ避けた方がよいと言われています。
よって、当院ではスギ、ヒノキ花粉が飛散する2月~5月はレーザー治療は行っておりません。
治療にかかる費用
保険診療で、2910点 (下甲介粘膜レーザー焼灼術:K331-3)で算定します。3割負担の方で8730円(+診察料+薬代)かかります。
方法
- 時間のかかる治療のため予約制です。お電話、あるいは受診してから予約を取ります。
(当院を受診されたことがなくお電話で予約された方は、鼻を診察していないため、鼻が極端に狭いなどの理由で、レーザー治療ができないこともあります。) - 治療日(約30-60分)
- 鼻の中の麻酔を行います。麻酔液を染み込ませたガーゼを両側の鼻に2枚ずつ挿入し、20分くらいお待ちいただきます。
- レーザーにて鼻の下鼻甲介という粘膜を両側焼灼します。片側10分程度かかります。
- 止血処置をして終了です。鼻づまり対策に点鼻薬など処方し、ご帰宅となります。
- 1-2週間以内に鼻処置のための通院をお願いしています。
合併症
- 鼻血が出ることがあります。多くは鼻水に血がにじむ程度の出血が1~2日くらい認めますが、自然におさまることが多いです。レーザー治療中に出血が多い時はガーゼを留置して帰宅、2~3日後に抜去のために受診していただくこともあります。
- 治療後1-2週間、鼻づまりが必ず起こります。治療による粘膜の腫れや痂皮(=かさぶた)が原因です。点鼻薬や通院での鼻そうじで対応します。
- 鼻中隔という両側の鼻の中の境界となる軟骨の曲がりの強い方は、レーザーで焼灼した部分と鼻中隔の曲がった部分がくっついてしまい、鼻づまりが強くなることがあります。鼻づまりがひどい時は、大きな病院で治療が必要になることがあります。
*レーザー治療を受けても、ずっと鼻の症状がなくなるわけではありませんが、アレルギー症状が強く出る時期を楽に過ごせる可能性はあります。
アレルギー性鼻炎の治療のひとつの選択肢として、ぜひご検討ください。