睡眠時無呼吸症候群
いびき、睡眠時無呼吸症候群
- ご家族にいびきを指摘され悩んでいる
- 寝ているときに息が止まっていると言われる
- 熟睡した感じがなく、昼間に眠気やだるさがある
以上のことがあてはまる場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群とは?
主に、睡眠中に呼吸の通り道(上気道)が狭くなることで、呼吸が10秒以上止まってしまい、様々な病気が引き起こされる病気のことです。
睡眠時に無呼吸がある方は、糖尿病や高血圧になるリスクが高くなり、それが長期化すると心疾患(狭心症や心筋梗塞)、脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)のリスクも高くなります。
どのようにして診断をしますか?
①問診
まずは以下の問診票で当てはまるものが多いのか確認しましょう。
うとうとする可能性はほとんどない | うとうとする可能性は少しある | うとうとする可能性は半々くらい | うとうとする可能性が高い | |
---|---|---|---|---|
1)すわって何かを読んでいるとき(新聞、雑誌、本、書類など) | 0 | 1 | 2 | 3 |
2)すわってテレビを見ているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
3)会議、映画館、劇場などで座っているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
4)乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
5)午後に横になって、休息をとっているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
6)すわって人と話をしているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
7)昼食をとった後(飲酒なし)、静かにすわっているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
8)すわって手紙や書類などを書いているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
5点未満 | 日中の眠気が少ない |
---|---|
5-10点 | 日中に軽度の眠気あり |
11点以上 | 日中に強い眠気あり |
②診察
(1)内視鏡検査
上気道が狭くなる部位は、
- 鼻(鼻副鼻腔炎や鼻中隔湾曲症などにより、鼻の通りがよくない方)、
- 軟口蓋や口蓋垂(のどちんこ)周辺(扁桃が大きい方)、
- 舌の付け根周辺(顎が小さい方や肥満のため、舌がのどの方に落ち込みやすい方)
です。
鼻からのどを中心に内視鏡検査で確認します。
(2)簡易的な睡眠検査
睡眠中の呼吸状態を調べるため、検査機器を貸し出し、いびき、無呼吸の回数を調べます。
無呼吸の回数が重度であれば治療が始められますが、軽度であれば精密検査まで進みます。
(3)精密検査(PSG検査)
睡眠中の呼吸状態だけでなく、脳波や心電図、筋電図も調べることで、正確な睡眠時間を算出し、無呼吸の状況をより詳しく調べます。
どのように治療をしていきますか?
検査結果に従い、治療方針を決めていきます。
1.CPAP治療
就寝中に鼻から陽圧呼吸(空気を送り込む治療)を行い、狭くなった上気道を拡げる治療です。睡眠中の呼吸状態が改善することで、睡眠の質が改善し、合併症予防にもつながる、最も確立された治療です。
月に1回の受診が必要で、睡眠の状況に応じて、適正な圧への調整を行っていきます。
2.口腔内装置(睡眠時無呼吸対策のマウスピース)
下あごを前方に固定するようなマウスピースをつけることで、重力の影響で舌がのどの方向へ落ち込まないようにします。
検査で睡眠時無呼吸と診断されるもCPAPの適応のない方や、どうしてもCPAPが装着できない方が対象です。
3.手術
鼻のつまりがひどい方は鼻の手術、扁桃が大きい方は扁桃摘出術をおすすめすることがあります。
4.減量
肥満のある方は体重を少しでも減らすことが重要です。
「運動をしていないこと」よりも「食事の量が多いこと」が、痩せられない原因として多いといわれています。
間食を減らし、歩く程度の運動を増やすよう心がけましょう。
5.睡眠グッズ
睡眠時無呼吸症候群と診断されなかった場合、いびき改善の治療は保険適応とはなりません。口が開かないようにするテープ、横向きになって寝るようにする抱き枕や背中にボールを入れるリュックなどの購入をおすすめしております。