スギ花粉症のおはなし
スギ花粉症とは?
ある特定の物質に対し、アレルギー反応(過敏症)を起こし、鼻炎の症状(鼻水、くしゃみ、鼻づまりなど)を認めるものをアレルギー性鼻炎といいます。
アレルギー性鼻炎は
・通年性(ハウスダストやダニなど年中接するもの)
・季節性(スギ、ヒノキ、カモガヤなど)
の2つに分けられます。
特に春に飛散するスギ・ヒノキ花粉でアレルギー反応を起こす人が多いため、2月〜5月のスギ・ヒノキ花粉による季節性のアレルギー性鼻炎のことを、花粉症と呼ぶことが多くなっています。
スギ花粉症の方に行う検査は?
アレルギー検査には、鼻水を調べる検査と血液検査があります。
スギ花粉にアレルギーを持っているかは血液検査を行うことが一般的です。
*当院では小児では指先から、成人では静脈から採血を行います。
スギ花粉症の治療
スギ花粉が飛散する時期によって、治療方法が異なります。
飛散直前(1月下旬から2月初旬)
花粉が飛散する直前から症状を和らげる薬(抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬)を使用することで、症状の発症を遅らせたり、軽くしたりできます。これを初期療法と言います。
飛散している時期の治療(2月~5月)
スギ花粉が飛散してしまってからは症状を和らげる治療が中心となります。
アレルギーを抑える薬(抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬など)を用います。
眠気などの副作用があるため、できるだけ眠気が少ない薬がいいのか、眠気があっても効果が高そうな薬がいいのか、希望の薬をお伝えください。
また、スギ花粉による症状が毎年強く、受験勉強や仕事に支障をきたすくらい重症の方は、抗体治療(ゾレア)も有効です。
やや高額な治療となりますが、ご希望の方は1月下旬からご検討ください。
もちろん、この時期はできるだけ花粉に触れないような努力が必要です。マスクや目を覆う眼鏡を上手に活用しましょう。
飛散していない時期の治療
予防的な治療として、レーザー治療や舌下免疫療法があります。いずれの治療も花粉が飛散している時期に治療を行うと症状がひどくなる可能性があるため、飛散していない時期に受けることが推奨されています。
できるだけ薬を減らしたい方が対象です。炭酸ガスレーザーにて鼻の粘膜を焼灼し、アレルギー反応が起こりにくくなるようにします。効果は1年ほどでなくなるため、繰り返し治療が必要になります。花粉が飛んでいる時期の治療はお勧めできないため、5月~12月の治療をご検討ください。
スギ花粉が含まれた薬を毎日体に投与することで、アレルギーに慣れていく治療です。3年以上続ける必要があります。投与開始時期は花粉が飛散していない時期(6月~12月初旬まで)です。