内耳の疾患
突発性難聴
突然発症する内耳性難聴で、原因として内耳のウイルス感染、ストレスによる循環障害などが原因と言われています。
難聴のほかに、耳鳴りやめまいを伴うこともあります。
発症から早期(2週間以内)であれば、ステロイド治療などで改善することもあるため、聞こえが悪いと感じたらできるだけ早く受診するようにしましょう。
急性低音障害型感音難聴
低音域を中心に認める内耳性の難聴です。
めまいを反復するメニエール病と同様、内耳の中に内リンパ液がたまりすぎる病態(内リンパ水腫)が考えられており、ステロイド治療や利尿薬の治療で対応します。
ただ、ストレスが続くと25%くらいの方が難聴を反復します。また、約10%の方がメニエール病に移行し、全ての周波数の聴力が悪化したり、めまいを起こしたりするため、注意が必要です。
音響性難聴
大きな音にさらされることで起こる聴覚障害で、急性(=音響外傷)と慢性(=騒音性難聴)に分けられます。
急性の場合は、事故などによる爆発音や、ロックコンサートなどの強大音を聴いたことで起こります。突発性難聴に準じてステロイド治療を行うと改善する可能性があります。
慢性の場合は、85dB以上の騒音を長時間聴くことで起こります。工場や空港など職場環境における騒音での難聴が多かったのですが、近年では若い方のイヤホン難聴が増加傾向にあります。内耳の細胞が慢性的にダメージを受け、不可逆性の難聴になっており、有効な治療法がないため、大きな音を聞き続けない、耳栓をするなどの予防が重要です。
年齢に伴う難聴(加齢性難聴)
年齢とともに内耳の細胞のダメージが積み重なり、徐々に聞こえが悪くなってしまう疾患です。主に高い周波数の音から聞こえづらくなってしまい、聞こえづらくなった周波数の音に近い耳鳴りがなることがあります。治療法がないため、日常生活に支障をきたすようになった場合は、補聴器が必要になることが多いです。